フローラル - ムスキー
中世において、わたしの姿は、白い花香る古代の庭に佇む処女の傍に描かれてきた。わたしは想像上の獣、飼い慣らされることのない、孤高の生き物。伝説上の白馬だけに許された汚れなき乳白色の肌、額には解毒剤となる捻れた一本の角が生えている。その牙は魔力を湛え、水を清めるとして皆が請い求める。わたしは愛と神秘を体現する。わたしは、自らの内部から湧き出る超自然的なエネルギーに満ちた、真珠の光沢を持つ光の中でのみ現れる。その姿を目にし得るのは唯一、創造的な魂だけ。わたしの姿を確かめられるほどに強い存在であるなどと夢見ることができようか。この、獣であり、かつ決して獣でなかった存在を。